ごあいさつ

弓道は年齢に関係なく昇段審査に挑むことができます。大変素晴らしいことです。まさに向上心を持ち続けながら修練に励まれる弓道家の原動力であろうと思います。当ホームページは参考書と位置づけて戴きますれば本当に有難いと存じます。

さらに和弓の取り扱い知識を深めていただき、作品の持てる性能を充分に活かしてお使い戴くことを願っております。

近年、和弓にとっては最適の相性とは到底申せない合成弦の使用が一般的と なり、弓にとっては大変厳しい影響に耐えながらも確実に「笄」の発生数は減ってきております。 四寸伸、女性の二寸伸使用など、矢束に応じた弓選び、弓力に応じた重量の矢の使用など皆様の勉強の成果を実感いたしております。
麻弦と合成弦では「笄」のプロセスは大きく違います。
麻弦の場合、先手の強い握り締め、上押しの捻りこみ、などの射技上の悪癖、また矢束に対して弓が短いなど、「会」での外竹に掛かる過度の負担による発生が通常なのにたいして合成弦使用の場合は射技、使用の欠点がなくても笄の可能性はどなたにもあると考えるべきです。
笄の発見が「大三」や「会の直前」、そして行射の合間であるのが多いことから、離れの衝撃で「笄」が発生することが推測できます。
問題なのは「笄」が起きた瞬間を殆どの場合実感できないことです。 万一、気づかないまま、つぎの射に臨めば修理不可能な破損にも繋がりかねません。しかるに、合成弦使用においては頻繁な点検が是非必要であります。安価で切れない大きな利点もありますが、弓を壊すかもしれないリスクもありますことを、自覚された上でご使用戴かねばなりません。
合成弦を活かすには「弓力に対して重めの矢」、「矢束に対して長めの弓」のご使用は必須です。また細すぎる弦は離れでの振幅が大きいと思われるため、弓の負担を大きくし不適切と考えております。
平成16年秋の当ホームページ開設より昨今さらに多くの方々のアクセスを戴いております。弓士の皆様の向上心の現われと、敬服とともに深心より感謝いたしております。
このページが皆様のお役に立てておりますこと、大きな励みであり喜びと致すところで御座います。皆様の更なるご研鑽を期待いたしお願いも申し上げます。

平成24年6月

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